食洗器の道(1) あなたにとって必要か

これは「食洗器があったら時短になるよね」と思った私がいろいろ調べていくうちに「食洗器」がかなり奥が深いものだとわかり、得た知識を残しておく記事です。

1.あなたにとって必要かどうか

食洗器(食器洗い機・食器洗い乾燥機)についてどう思われますか?
洗濯機や冷蔵庫と違い、必ずしもいらない家電にあたります。手で洗えば済むものですし、それが当たり前と感じる人も多いでしょう。
ですが、セットするだけで綺麗にしてくれる食洗器は時短家電というカテゴリになり、その恩恵として毎日の家事の時間が少なくなります。
食器の数で空く時間は人それぞれですが、あなたは空いた時間でなにをしますか?
私は普段後回しにしている勉強本を読む時間に充てたいと思いますが、単純にテレビを見てだらだら過ごしたいとか思ってもいいでしょう。
ですが、必ずしも楽になるとも限らず、システムキッチンを買った際に付いてきたものの、使ってないという方もいるようです。

2.新たな家電がやってくるという事実

新しい家電が来たら、生活のスタイルが変わります。食器を洗う手間がなくなる代わりに、食洗器に食器をセットして、スイッチを入れて、終わった後に片付ける必要があります。
生活のスタイルが変わることをよしとしない人もいるでしょう。洗濯乾燥機を買ったけれど乾燥機能は使ってないとか、エアコン買ったけど冬場は暖房運転しないで石油ストーブだとか、スタイルの変化を望まない人もいます。
そこを変えようとして、途中で挫折して使わなくなるケースもあるようです。食洗器の場合は、全自動だけど終わるまでの時間が長く、片手間とはいえ待つのが嫌いな人がいます。また、予洗い(あらかじめ簡単に汚れを落とす)が必要になるため、結局全部洗ってしまい不要になってしまうケースがあります。
私は食洗器が欲しいので肯定的ですが「私はいらないかな」という人もいるでしょうし「買ったけどいらなかった」という人もいると思います。

3.「食器の洗濯機」という表現

いろいろ調べていくうちに、私にぴったりとくる表現が見つかりました。
それが「食器の洗濯機」というものです。
汚れの度合いや種類、セットのテクニックで、汚れが残ったりするそうですが、そのために予洗いをしたりします。これは洗濯機での付け置き洗いや油染みを落とすテクニックに近いものがあります。
また、洗濯機でおしゃれ着や女性の下着などをかけないように、食洗器では漆器(みそ汁のお椀)やプラスチック容器(弁当箱)を洗うのに適さないものがあります。そういうものは手洗いになったりすると思います。
いまだ洗濯機も万能ではありません。食洗器も万能ではないのです。そういう意味では似ていると思いました。

4.食洗器のメリット

デメリットを先に書いてしまいましたが、メリットは時短以外にいくつもあります。
まずは「手荒れ対策」です。洗剤の洗浄力で手荒れが発生しますが、かなり軽減されます。予洗いのために完全な水洗いの回避はできませんが「泡スプレー」という洗剤をかけ、しばらく放置して軽く水洗いを行う方法で予洗いの時間を短縮できます。気を使うなら、その間位はゴム手袋をしてもいいかもしれません。また、泡スプレーはかなり安く、瞬間湯沸かし器でいっぱいお湯を使うよりもガス代のランニングコストを抑えられるという意見もあります。
次に独自の意見ですが「給湯器(瞬間湯沸かし器)に頼らなくてよくなる」というものです。
肉の油は40℃や45℃で溶けるので、お湯に頼らなければなりませんが、食洗器は人の手が入らないので80℃などの高温で落とします。なので、予洗いでしっかり落とす必要はありません。カレーなどの固形物はさすがに難しいようですが、徹底するなら泡スプレーで対処できます。
給湯器はガスを使いますが、部屋の酸素を使って燃焼するため、長時間使用は酸欠になる可能性がありますし、一酸化炭素中毒になる場合もあります。マニュアル的には換気が必要です。たまたま私が安いアパートに入って給湯器がなかったのですが「新規に購入する位なら給湯器じゃなくて食洗器にしよう」という参考にならない考えもあります。
さらに「食洗器専用の洗剤を使用できる」というものです。人間の手に触れないため、強力な洗剤が使えます。同時に高温のお湯も使用した上で機械乾燥するので、衛生的にかなり有利になります。
そして、流水を使わなくて済むなどで節水効果があるため「ランニングコストが減る」というものです。年単位で言えば、節水と湯沸かし器のガス代で食洗器本体が買えるという計算もあるほどです。


5.食洗器のデメリット

デメリットをまとめ直すと「完全に汚れが落ちない」「予洗いが必須」となります。
手洗いは汚れが落ちるまで落とすため、完全にきれいになるのは当たり前です。食洗器では食器の設置方法で汚れ落ちが変わるため、慣れとテクニックが必要になります。
また、予洗いは必須です。「残菜」という表現をするのですが、固形物がある状態で食洗器に入れると、落ちなかったり、固形物が中に残ったり排水管に詰まったりとトラブルにつながるようです。
さらに「全てが洗えない」です。高温のお湯を使うために漆器はNGですし、高圧のお湯を吹き付けるので重量が軽いプラスチックの食器は固定しなければなりません。さらに物理的に収まらないといけないので取っ手付きの鍋は大きなスペースを使います。鍋まで洗うと食洗器の回数が2回になり、完全な食器洗い完了の時間が後ろにずれることになります。

6.ある程度食洗器に合わせる生活

私はまだ食洗器を購入していません。
ですが、一人暮らしなので「食器の形を揃える」「取っ手のある鍋は手洗いに」「カレーやパスタの日はしっかり予洗いを」等、柔軟に対応できます。極まってきたら「取っ手のとれる鍋を買いそろえる」「全部食洗器に入れるよう、食器の枚数を制限する」など最適なスタイルになっていくかもしれません。それは食洗器を迎え入れ、愛着がわいたらという話です。
楽に1回に洗うという意味では、食器の枚数を減らして1日に使う枚数を制限し、夜のうちに1回でまとめて洗うという手法にいきつきます。今でも食事の都度洗ってはいませんので違和感はありませんが、家族の多い家ではなかなかできないと思います。
食洗器は自動で食器を洗ってくれますが、よりうまく上手に洗うために食洗器に協力することは、人によって合う合わないがあると思います。

最後に

これを読んだみなさんは食洗器を欲しいと思ったでしょうか。それともいらないと思ったでしょうか。
考えは人それぞれですし「自動で食器を洗ってくれるなら楽じゃない」と思ったものの、実は予洗いや手順の違いで「楽じゃなった」と思う人もいるようです。セットして長い時間洗い、終わったころに戻ってきて片付けるというスタイルは、手をかけている時間の短縮にはなるものの、中抜けできるだけで家事の完了という意味では時間が伸びるという意見もあります。
結論としては「好みの問題」です。冷蔵庫や洗濯機のように必須ではありません。
ですが、スタイルの変化と共に便利だと感じられたら、買ってみてはいかがでしょうか。

そして次回へと続きます。
次回予定:据え置き型とビルドイン型

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